住まいづくりのポイント

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快適なリモートワークスペースのある家づくり
住まいと暮らしのスタイリスト 三宮佳美

いまやリモートワークは当たり前。これからは自宅に快適なワークスペースを設ける視点も必要です。住まいと暮らしのスタイリスト 三宮佳美さんが、快適なワークスペースづくりのポイントを紹介します。

コロナ禍で変わる暮らし

コロナ禍で私たちの暮らしは大きく変わりました。リモートワークという働き方が出現して、働く場所は驚くほど多様になりました。特に家に関していえば、「暮らしの中に仕事場が入って来た」という言い方がしっくりくるのではないでしょうか。家事や食事など、ふだんの暮らしをしながら効率的に家で集中して仕事するというのはなかなか大変なことです。

これからの住まいづくりには、自宅に快適なワークスペースを設ける視点も必要です。快適なワークスペースやスタディスペースづくりのポイントをご紹介します。

緑の見えるリビングでオンライン会議や打ち合わせをすることが多くなりました。仕事中に緑を目にすることで、自分自身も癒やされている気がします。

ワークスペースの大敵はASK!

家の中すべてに言えることですが、特にワークスペースづくりでは「暑い・寒い・暗い(ASK)」に注意してください。この3つのNGがひとつでもあると、作業効率が悪くなります。

空調システムやエアコンのあるリビング・ダイニングの一角に、無垢材でできたルーバーのパーテーションウォールで仕切ったワークスペースを設ければ「暑い・寒い」はなくなります。ルーバーから風や光が通り抜け、開放感があるのにちゃんと集中できる半オープンな個室となります。リビングは明るい場所に設けることが多いので「暗い」こともありません。また、床材と素材や色を合わせると統一感が出ます。

リビングに無垢材のパーテーションウォールでL字に仕切り、半オープンなワークスペースを設けます。
商品写真:パーテーションウォール(ウッドワン)

家の中のどこがいい?

ワークスペースを設ける場所について考えましょう。お望みの場所や広さのご要望はさまざまあるかと思いますが、手法としては大きく3つあります。

  1. 個室に設ける
  2. ある部屋の一角に、コーナーとして設ける
  3. いまあるスペース(収納など)を改変して設ける

もちろんスタディルームとして個室を用意できれば言うことはありません。ふだんあまり使わない部屋を仕事部屋として兼用する方法もあります。3つの手法のワークスペースの事例を次にご紹介します。

無垢の木のキャビネットや引き出し、棚板を組み合わせて、キッチン隣に設けたワークスペース。
商品写真:無垢の木の収納(ウッドワン)

和室だってワークスペース

客間の和室をつくったけれど、コロナ禍で来客もなく活用する機会が減ってしまったということはありませんか? 

客間兼ワークスペースとして和室を改変すれば、個室のワークスペースとして活用できます。いかにも事務的なワークスペースとせず、カウンターや棚板をうまくデザインして可変性を持たせておけば、将来使わなくなった時には飾り棚スペースとしても活用できます。和室は心落ち着く空間のため日常的にもぜひ活用したいですね。

和室にカウンターを取り付けたワークスペース。間接照明を仕込んで、和室に合ったデザインを意識しました。
(写真提供:yoriie)

家の中のどこがいい?

ベッドのヘッドボードの裏面にワークスペースを設けた寝室。(写真提供:yoriie)

リモート会議の間は生活音が聞こえない個室がいいからと、寝室をワークスペースにと考える方もいらっしゃいます。ただ、ベッドが目に入るとお昼寝の誘惑も否めません。この事例は、ベッドの後ろにパーテーションとデスクを造作して寝室2つにゾーニングしました。日中仕事に集中できるだけでなく、就寝時にデスクが見えないことで仕事のことを考えずに休めます。部屋を二分する間仕切壁は、なるべく低めにしておくと圧迫感が小さくなります。

部屋のコーナー利用は、配置が鍵

リビング・ダイニングの片隅に、子どもの勉強スペース兼ワークスペースを設けました。
(写真提供:yoriie)

キッチンに背を向けるかたちで設えたワークスペース。視界にキッチンが入らないことで、家事から頭を切り替えて仕事に集中できます。
(写真提供:yoriie)

多くの住まいが、日当たりのいい場所にリビングやダイニングを設けます。仕事にも最適な場所と言えます。リビングやダイニングの片隅のコーナーをワークスペースとして活用するのもおすすめです。私がご提案する場合は、できるだけ家事をする場所に背を向けてワークスペースを配置するようにアドバイスしています。寝室と同様、目に入るとオン/オフの切り換えができず、ついつい気になってしまいますから。

なぜか階段下が集中できる不思議

階段下のニッチなスペースもワークスペースとして活用できます。ちょっとした秘密基地のような雰囲気が、逆に仕事や勉強に集中できるという声をよく伺います。

高さが十分に取れない場合が多いですが、基本的に座って作業することを考えればそれほど圧迫感を感じることはないと思います。お子様のスタディスペースとしても活用できるので、この場所の活用を逃す手はありません。

リビングに階段を設置する「リビング内階段」の下に設けたワークスペースであれば、「暑い・寒い・暗い(ASK)」の問題もなく使いやすいです。

階段下のデッドスペースに設けた子ども用スタディスペース。このままワークスペースとしても活用できます。
(写真提供:yoriie)

色や素材が、やる気を育む

ワークスペースは、仕事に集中したい場所です。その効果を発揮する色や素材を上手に取り入れたいものです。たとえば、心理的に落ち着きをもたらすグレーなどの無彩色は、昨今の流行色でもありますからお勧めです。お子様のスタディスペースの場合は、学校の黒板で慣れ親しんでいるグリーンを活用することも。グリーンという色には、鎮静効果やストレス軽減の効果があると言われています。

観葉植物などは、視界に入る位置に配置するだけでもとても効果があると思います。私もリビングで仕事をする時は、目に入る位置に観葉植物を置いています。木の香りにもリラックス効果があります。壁面の一部分に印象的に木を使うなど、小面積でも効果の出やすい使い方をすれば、予算のかけ甲斐もあります。最近の木材は色も樹種もさまざまなものがありますから、好みで選ぶのも楽しいですね。

人気の無彩色は、フラットな気持ちで仕事に向き合える心理的効果もあります。

目と照明の大切な関係

ASKの「暗い」にも関連しますが、ワークスペースの明るさは効率化の意味でも非常に大切です。ワークスペースやスタディスペースでは、ぜひ手元の照明を忘れずに。目の疲れ方が格段に違います。「BALMUDA The Light」は医療現場や美術館でも使用される自然光に近い太陽光LEDを使っています。目に優しく、集中力を妨げない優秀なデスクライトです。

私のアトリエでは、目線の先に影を作らないデスクライト「BALMUDA The Light」を愛用しています。

リビングのコーナーや寝室の1部屋をワークスペースにしている場合は、電球の色を調整できるシーリングライトやダウンライトを使います。くつろぎ時間(電球色)/仕事時間(昼白色)のシーンに合わせて色温度が変えられるタイプのLEDライトを使えば、ひとつの空間を照明だけでシーン毎に切り替えできます。使い勝手に合わせてお好きな照明器具を選んでください。

スイッチングひとつでくつろぎの電球色〜作業用の昼白色まで切り替えられる調光タイプの照明が便利です。
商品写真:2色温度切替調光タイプ 楽調シリーズ(大光電機)

リモートワークを下支えする家事

家でリモートワークに集中するためには、家事の効率を上げるのもひとつの方法です。たとえば、多くの人が家事の中で面倒だと感じるものに「洗濯物を畳む・しまう」という作業があります。そんな面倒な家事を少しでも減らすために、「干しっぱなし収納」(勝手に命名しました)をご提案しています。脱衣室や2階の廊下(ベランダに干す場合は2階も便利です)に、写真のように「干しっぱなし収納」コーナーを設け、ハンガーパイプとコンセントを設置します。干したパジャマやTシャツは、そこに吊るすだけ。「着る時はそこから持っていってね」という具合です。雨の日はコンセントにサーキュレーターをつないで、洗濯物の下から風を当てて乾燥させます。

このように毎日の家事を効率化する工夫が、家での仕事時間を下支えしてくれます。快適なワークスペースづくりの参考にしていただければと思います。

「干しっぱなし収納」と自分で名付けた、家事を効率化するコーナー。
(写真提供:yoriie)

記事監修:三宮佳美
取材協力:株式会社ウッドワン(https://www.woodone.co.jp/)、大光電機株式会社(https://www.lighting-daiko.co.jp/)

住まいと暮らしのスタイリストyoriie 三宮佳美さん

インテリアスタイリスト、住空間収納プランナー、家事セラピスト。24時間365日をいかに快適に住まうかをテーマに、人と住まい、人と暮らしのより良い関係をさまざまな見地から、研究・提案している。各種モデルハウスや個人邸の暮らし提案・インテリアディレクション・スタイリング、暮らしに関する各種研修企画・講師、住関連企業へのコンサルティング(商品企画・販売企画など)を行う。これまで手がけた建物は350棟を超える。