東京都/アパートと自宅の建て替え 同時にやるべきか?

賃貸住宅の計画と二世帯住宅の計画。
どちらか一つでも時間がかかりますが、S 様邸はそれを同時に進める難しいプロジェクトでした。
土地活用の方法や資金計画、そして各世帯のこだわりの反映まで、多様な条件をどのように整理したのか、お話しをお伺いしました。

商品タイプパルフェJX
家族構成母、夫婦、子供2人
床面積1F 102.50 ㎡
2F 95.77 ㎡
延床面積198.27 ㎡
主な仕様 設備太陽光発電(アパート9.21kW、自宅6.31kW)
快適エアリー

S 様邸

建築前の状況と家族構成、当初の計画

S様邸 旧敷地図

S様が二世帯住宅を計画されたのは東日本大震災の後。もともと敷地内に自宅と木造のアパートが建っており、自宅には今と同じ二世帯の家族構成で暮らしておられました。木造のアパートは築40年で老朽化が進んでいたので、S様は耐震性に不安をお感じになりました。また敷地内に大きな庭があり、近所でも有名な見事な植栽があったのですが、お母様がお齢を召されるにつれて、お手入れが大変になっていました。

S様はまずアパートの建て替えを実現しようとお考えになりました。たまたま約20年前に建てた自宅はセキスハイムの家で、同社との付き合いはメンテナンス部門を通じて信頼関係が継続していました。そこで、セキスイハイムにアパートの建て替えを相談することにしました。そのときに知り合ったのが、営業担当の原田さんでした。

様々な可能性を持つ敷地をどのように活かすのがベストなのか

S様ご所有の敷地はたいへん広く、様々な可能性、様々な使用方法など、選択肢が多くあるため、計画を絞り込むことが難しい物件でした。相談を受けた、ファイナンシャルプランナーの原田さんは、デザイナーの福井さんとともに問題点の整理にとりかかりました。その結果、以下のような5つの課題が見つかりました。

1) いずれは建替える必要のあるご自宅をどうするか。
2) 当座の建築資金と、長期的な支出のバランスをどう最適化するか。
3) アパート経営による収益性どうか。
4) ご自宅側とアパート側の眺望をどうするか。
5) 相続や万一の売却のために、土地を分割する必要が生じた際にどうするか。

これらの課題に対して
A ・アパートのみの建替え
B ・自宅賃貸併用住宅建設
C ・アパートとご自宅の同時建替え
という3つのスタイルがどのように適合できるか、不適切な部分はどこにあるかを、徹底してシミュレーションしました。

まずA案の、アパートのみ建替えの場合については、当座の建築費は抑えられるものの、いずれ建替える必要のあるご自宅では、仮設工事や付帯工事が二重にかかってしまうことになります。また、アパートとご自宅の位置関係は変わらず、アパート側に隣接した公園の眺望をご自宅から楽しむこともできません。

B案の賃貸併用住宅への建替えについては、ご自宅を同時に工事することでトータルコストを抑えられるというメリットがあります。さらに、ご自宅部分の配置を公園側にすることで、良好な眺望を得ることもできます。ただし、ご相続時などの敷地分割には無理が生じます。

C案のアパートとご自宅の同時建替えは、長期的に見て、二重工事の問題を回避し、ライフサイクルコストを相対的に低くできるものの、2棟同時建替えということで当座の建築費は大きくなります。しかし、このデメリットを補って余りあるのが「敷地分割性」です。ご自宅とアパートを分棟にしておけば、なによりもご相続の時に無理がかかりにくくなります。また将来的に、万一の場合にはアパート部分を売却するという手段も残されます。さらに、ご自宅からの良好な眺望も確保されます。

S様邸課題解決シミュレーション概略

二世帯住宅とアパートを同時に建替え

A・B・C いずれのプランにも相応のコストが発生します。また、どのプランを選択するにしても、S様ご家族のその後の生活設計は大きく変化します。そこで、ご家族の皆様とセキスイハイムのスタッフが膝をつきあわせるようにして、検討を繰り返しました。そのような中で、お母様の「本当は土地を守りたい。」というお気持ちが強いことがわかりました。

そこでクローズアップされたのが、アパートとご自宅を同時に建替えるというプランです。

自宅賃貸併用住宅の場合と2棟同時建築の場合で、イニシャルコストに大きな差はなかったそうですが、ご相続時に無理のない敷地分割性が強い動機づけ要因となり、二世帯住宅とアパートの同時建替えというプランは、ご家族全員のご賛同を得られることができたのです。

ご自宅の位置を南側にすることで、桜並木が見事な公園の眺望を楽しめるようになるのは言うまでもありません。

最終イメージ確認パース

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写真手前がS 邸、奥がアパート。

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新しく設けた庭には勝手口から
すぐにアプローチできます。
毎日お母様が手入れを
されています。(東山)

ご家族のこだわりを反映するとともにアパート経営もスムーズに

2棟同時立て替えとは言え、アパートのほうは計画がまとまる前の段階で、既存の入居者に退室をしてもらう必要がありました。アパートの建て替えにともなう入居者の退去には、トラブルがともないがちなのですが、セキスイハイムの努力により、なんとか予定していた解体日までに円満に退室してもらうことができたとのことです。また、それまでのアパートは自主管理で、何かと手がかかっていたので、セキスイハイム不動産で管理することをご提案し、ご納得いただきました。

住宅のプランは二世帯のこだわりをうまく反映させています。お母様のこだわりは庭です。前の家の庭木を生かしながら、南側の角地にコンパクトな庭を設けました庭木の手入れに余念がないお母様は「庭を絵に描こうかしら」とおっしゃるくらいお気に入りです。

ご主人のこだわりはビルトインガレージ。ご趣味の車を、まるでファミリー同然のように大切に扱うことのできる素敵な屋内ガレージが出来上がりました。奥様のご要望は子どもを伸びやかに育てることのできる空間。回遊性のある間取りも含めてご希望通りのスタイルになりました。

こうした事業計画から相続の問題までを念入りに検討することで、S様邸はご家族のどなたにとっても極めて満足度の高い家になりました。二世帯三世代が暮らすこの住まいは、これからますます充足した歴史を刻んでいくことでしょう。

ビルトインガレージ

S様邸外観。ご主人こだわりのビルトインガレージ。
道路から少し奥まった配置になるように
気を配りました。(福井)

ビルトインガレージにアプローチ

洗面脱衣所の手前から、ビルトインガレージにアプローチできるようになっています。
雨の日も濡れずに出入りができできます。
(福井)

「快適エアリー」が可能にしたおおらかな暮らし

S様邸の1階はお母様のスペースと共用の玄関、お風呂・洗面があり、2階は子世帯のスペースです。

親世帯のスペースは、ダイニングとキッチンが一つになったワンルームのようなつくり。ダイニングの奥には和室があり、お母様はここでお休みになっています。引き戸で仕切れますが、ほとんど閉めたことはないそうです。その理由は「快適エアリー」。家全体がほんのり温かいため、仕切る必要がないとのことです。玄関や脱衣所も温度差が少ないので、冬の入浴時にもストレスがなく、ヒートショックの心配もありません。

親世帯空間のもう一つの特徴が収納です。ダイニングと和室の脇に2~3畳の収納をしっかりと設えています。新築に際して持ち物をずいぶん処分されたというお母様ですが、それでも収納物が多いので、助かっているそうです。

また、既存の家具をいかに生かすかということも課題でした。重厚で大きな家具をたくさんお持ちだったので、事前に配置場所を決めた上で窓のプランなどを詰めていきました。箪笥の配置を変えたいとのご意向を受けて、窓の位置を急きょ変更して対応するといったこともありましたが、その甲斐あって、家具は間取りの中にぴたりと納まっています。

親世帯のダイニング

親世帯のダイニング。左側に見える茶色の扉が収納になっています。
奥には和室が設えてあり、背の高い障子風の建具で仕切ることができますが、
普段は開けたままご使用されています。( 原田)

洗面脱衣所

洗面脱衣所は共用。
快適エアリーの効果で
脱衣のときに寒くないと
好評です。(福井)

子世帯のダイニングとキッチン

子世帯のダイニングとキッチンは明るくてのびやかなスペース。
右側の引き戸の奥が畳ルームになっています。(福井)

2階全体の回遊性

2階全体の回遊性を重視したため、
子世帯の寝室はホールと和室の二方向にアプローチできるようになっています。(土谷)

2階子世帯空間は回遊性を徹底的に追求

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2階の子世帯は回遊性重視の間取り。奥が子供部屋で、 左の扉の先が寝室になっています。お子様が毎日ぐるぐると走り回っているそうです。(原田)

2階の子世帯のスペースは、LDKを中心に回遊性を重視したプランです。各部屋の扉を開くと、寝室から子供部屋まですべてがつながります。お子様が一つの部屋にこもるのではなく、ぐるぐると遊び回れる空間です。キッチン脇の南西のコーナーには小さなカウンターが設けられており、将来的にはお子様がそこで宿題などをすることになりそうです。子どもを賢く育てる「かげやまモデル」に基づく提案です。

キッチンと寝室からつながる北西の角には畳スペースが設けられています。このスペースのテーマは「桜」。桜材の丸柱、さくら色の畳表がうららかな雰囲気を醸し出しています。お子様のお昼寝スペースであり、洗濯物を干す場所でもあります。ベランダ側に頭を向けて寝ると、広い空の眺めがとても気持ちがいいそうです。

また、隣の公園の桜が実に見事なので、借景として利用。1階と2階の両方から同じように見えるよう配慮されています。広さや設備のグレード、眺望などに差をつくらないというのが、家族みんなが納得する二世帯住宅の基本なのです。

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子世帯の畳ルーム。左側のドアの奥は寝室になっています。 正面の型板ガラスの向こう側は階段ホール。 さくら色の畳表は和のテイストを好まれる奥様のこだわりです。(土谷)

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「かげやまモデル」を応用し、子世帯のキッチン脇に設けられたミニデスク。 いずれはお子様の宿題スペースになりそうです。 (土谷)

大容量の太陽光発電による家計に優しい省エネ住宅

太陽光発電は、アパートに約9.2kW、S様の住宅に約6.3kWを搭載。経済効果は光熱費ゼロはもちろんのこと、毎月1~2万円の収入が得られる、家計に優しい省エネ住宅が実現されています。

セールス スタッフ

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ファイナンシャルプランナー・二級建築士
原田 興太郎

二世帯住宅と賃貸住宅の同時建て替えという難しいプロジェクトでしたが、土地活用としても住空間としてもご評価いただき、うれしく思っています。

デザイナー

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二級建築士
福井 康宏

土地の持つ眺望などのメリットを生かしながら、賃貸住宅の事業収支とS様ご家族みなさまのご要望を満たす間取りやインテリアを両立できて、ご満足いただけました。

インテリアコーディネーター

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インテリアコーディネーター
土谷 知子

お母様の世帯は既存の置き家具を生かした落ち着いた空間になるように配慮しました。若い世帯は、ご夫婦と共に仕上げや家具を選んでいきました。

エクステリアデザイナー

report_02_staff_04 東京支店 エクステリアグループ
エクステリアデザイナー
東山 尚登

もともと立派な庭があり、植木などに愛着を持たれていたので、特にお気に入りの植栽を移植しました。庭は手入れの行き届く大きさと配置に気を配りました。

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